越後湯沢

人の優しさが身に沁みた。

越後湯沢で降車直前に切符を無くしたことに気付く。 狼狽しながらとりあへずはホームに降り、リュックを漁つてゐると駅員に切符を落としたのかと尋ねられる。さうだと正直に答へると私の落とした切符を渡してくれた。親切な乗客が届けてくれたさうだ。 厚意…

雪景色。

といふわけで帰郷の途次。指定席を取つてあるので駅で蕎麦をたぐる。 駅の構内からも雪が積もつてゐるのが見える。 寒いのは嫌ひだが雪景色は好きだな。

寒い。

帰りに乗つたはくたかの前の列車が積雪のため立ち往生したとのことで、同じ線路を走る私の乗車した列車も当然ながら立ち往生する。 指定席を取れずデッキに立ちつぱなしなので寒さがきつい。いつ動くかもわからぬ状況がさらに精神を消耗させる。 結局一時間…

座れた。

驚いたことに自由席にまだ空きがあつた。日頃の行ひが良かつたせゐだらうか。

食事。

朝食を摂つてゐなかつたので越後湯沢駅で駅弁を購入し発車前の誰もゐない車内で食べる。包装紙の裏の自慢気な説明文が癇に障る。普段はここまで気にならないのだが。 冷えきつた飯を腹に詰め込み終る頃他の乗客がやつてきた。

16時03分発の列車が既にホームに停車してゐる件について。

なるほど普段自由席に座ることが難しいわけだ。立ち食ひ蕎麦をすすつてゐる間に半分近くの席が埋まつてゐた。

四十分待ち。

新幹線一本乗り遅れたからかかる憂き目に。うぬう。 越後湯沢の売店では部屋の中でガーデニングをといふことでバジルやらラベンダーの缶が売られてゐた。…缶?

座れた。

今回は新幹線、特急とも座れた。いつもは立ちつ放しだから体力の消耗はかなり抑へられて実に有難い。 ただ、特急の乗車車両は喫煙車だつたりする。煙草をふかしてゐる人が大して見当たらないのに空気が既にかなり煙い。何なんだ。