もはや言ふ迄もないが職場の方と

烏賊焼きとパスタを食べる。他愛のない会話をしつつ、お互ひモテないよなあと嘆息。だが、彼は単に端からその気がないだけではなからうか。私のやうに色々自分の持ち札をためつすがめつした結果の諦観とは違ふ意味で、彼にはさういふ類の欲望が希薄な気がする。
それはさうと、彼は実に含蓄のある言葉を口にした。
「女は飼ふものではなく買ふもの」
見事な見識である。また、この言葉からわかるやうに、彼は私の人生哲学(「女の笑顔は金で買ふ」)について肯定的である。数少ない知己は大事にしたいものだ。