鳴沢村の夜は更けゆく。

皆で集まり、酒を飲んで駄弁る。職場の愚痴からかういふ場の定番の怪談になだれ込む。最終的には下ネタになる。といふか私の苦行といふほかない風俗遍歴を妙齢の女性の前で語る羽目になる。
私の、厳しい、苦行にも等しい経験談に、彼女らは苦笑と憫笑の混淆物で応へた。笑ひ事ぢやないんだつてば。
彼女らから、私の異性に対する理想が歪んでゐるとの指摘を受ける。今更どうにもならんよ。
最後は大貧民でしめる。オーラスで大貧民になつたのは私であつた。