けふも朝が来た。

当たり前かとひとりごちつつ、朝食を摂る。昨夜から食材を整理してゐたので、賞味期限切れのレトルトカレーと、最後に開けたのが多分一年以上前の米櫃(プラスチック製)を久しぶりに開けて炊いた飯を、どこかの陶器市で買つた丼に盛り付けて食ふ。ささやかな食事を終へた後、インスタントのカフェラテ(これまた賞味期限切れ)を先程の丼で啜る。
賞味期限切れのものなど口にするなといふ向きもあらうが、老いた母が送つて来てくれたものだ。どうしておろそかにできようか。
チーズ唐揚げは捨てたけれど。チーズは食べ物ではないと、どれだけ説明すればわかつて頂けるのですか、母様。

かうして独りでゐると、いつも気分が沈む。もつとも独りでゐなくとも、勝手に沈んでゐることも多いのだが。
振り返れば、多少小学校での成績が良かつたばかりに(他には見事なまでに「売り」がなかつた)、進学校で劣等生として過ごし、大学浪人して国立大学に進んだ後は就職浪人になつた。そして木端役人の端くれになつた訳だが、4月には木端役人ですらなくなる。
親の期待に応へることもできず、さりとて絶望させることもできない半端者の私は、ひきこもりよりも質の悪い人間なのかもしれない。

できる奴は親孝行しとけ。緑犀浄庵からの忠告。