大阪の小六衰弱死。

かう書くと勝手に弱つてはかなくなつたみたいで気の毒だが。以下産経から引用。


川口被告は「治療のためにやった。死ぬと思わなかった」とも供述。同署は、やせ細る雄起君がいつか死ぬかもしれないとの認識を持っていなかったと判断。未必の故意による殺人容疑の立件を見送った。
講義時間はおねむの時間だつた、かつての法学部の劣等生には幾つか疑問がある。一つは責任能力の問題(乱暴にいふと気違ひには裁きを受ける権利の代はりに人を殺傷しても罪に問はれない権利を与へるといふこと)で、これは今までにも論じた。

まう一つは「故意」の問題だ。これも乱暴にいふと、「そんなつもりはなかつた」と表明するだけで、人を殺しても殺人ではなく傷害致死にできる可能性が開けるステキ概念だ。気違ひに偏見を抱き、「あんなのと一緒にするな」といふ差別主義者はこちらをどうぞ、といふことだらう。
で、だ。確か日本の刑法では「人を殺した者は、死刑または無期もしくは三年以上の懲役に処す」とあつた筈だ。
この文から、殺人罪が成立するためには当然故意が必要だと導く方法を誰か利口者はひとつ私に教へてくれないか。授業料はロハで。

ついでに筆を滑らせておくが、「〜致死」つて一体何だらうね。リンチにかけたら死んでしまひましたでもボクは殺すつもりはなかつたのにそれなのに勝手に死んだアイツが悪いんです、つてことかね?*1
イイ世の中だ。こんなのがまかり通るから裁判員制度を導入しようといふハナシになるのかねえ。司法に対する不信の表明つてやつか。

*1:犯行から何時間以内に死亡したらどうとかいふ下らない技術論的な突つ込みは要らんよ。