忠言は耳に逆らふ。

かつてのゼミ仲間たちと旅行に出掛けた際、彼女ゐない暦=年齢の私を憂ひて「雀がチュンチュン鳴いてゐる朝に、綺麗な女性と一緒にコーヒーを飲みたくないのかね(大意)」と諭されたことがある。身の程を弁へてゐる私は「90分ならまだしも、オールナイトの料金は高いから無理ぽ(これまた大意)」とこたへたものだ。
そして先日乗馬に行つた際、皆が食後はコーヒーだつたのに一人紅茶だつたのでかなり気まづい思いをした。
喪男の私が思ふに、恋愛やアヴァンチュールを楽しむオサレな諸兄姉にとつてコーヒーは必須のアイテムといふことなのだらう。であるならば、私を諭してくれたかつての仲間の誠意に応へるためにも、ここはひとつコーヒーとやらをマスターせねばなるまい。
といふわけで、参考書を水野遥もゐなければ成瀬川なるもゐない、でも秋になると踏み潰された銀杏が実にウ×コ臭ひ大学の生協で入手した。
おいしいコーヒーのいれ方」(村山由佳著、集英社刊)を。
そんな目で私を見るな。
あ、ついでに小説をまた一つ大学生協に発注した。
空の境界」を。
だからそんな目で私を見るな。