有難う、そして御冥福を。

元ロンドン大教授の森嶋通夫しが死んださうな。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/hito/20040715/K0015200707002.html?C=S
森嶋氏といへば、仮に露助が攻めてきたら白旗と赤旗で迎へ、日本流の社会主義を目指せばいいと説き、旧社会党の非武装平和論を力づけた人物である。
何故か彼を高く評価してゐた小室直樹氏は、あれは彼流のユーモアだと弁護してをられたやうだが、彼の自伝等を見た感じでは、本気で主張してゐた気がする。よしんば冗談だつたとしても、社会党の延命に手を貸した罪は到底贖へるものではない。「偉い人」の言ふことには何であれ価値を置くといふ日本人のメンタリティも問題だが。経済学者の政治的「見識」など、床屋政談の域を出ないことくらゐはいい加減理解した方が良い。
さてそんなことはどうでもいいが、先日大学時代の友人から電話があつた。共通の友人から、我々が大学時代に通つてゐた焼肉レストラン「幸楽」が、二年前に店を切り盛りしてゐた婆様が亡くなつてすぐ閉店したとつひ先日知つたとの連絡を受けたさうな。
あそこで初めて牛タンを食したことは今でも覚えてゐる。どうも母の話では違ふらしいが、その食感と味に魅了されたのはあそこでだから記憶を修正する気はない。貧乏学生の癖に週一程度で訪れる我々に、肉を増量してくれたり、夏には西瓜を出してくれたことも覚えてゐる。
あそこ以上に美味いカルビクッパは韓国に行つたときにも出会へなかつたし、東京に来て焼肉屋で肉に舌鼓を打つても、やはりカルビクッパはあそこ以上のものに出会へてはゐない。まう二度と味はふことは叶はぬあの味と、そこで過ごした本当に贅沢だつたひとときが、今はひたすら懐かしい。
有難う。そして御冥福を。