大菩薩の湯にて。

S氏夫妻及びY氏は温泉に。まだ傷口の塞がつてゐない私は入れない。別に人に感染する菌が傷口から出てゐるわけではないので入浴自体は可能なのだが、未だ少量とはいへ膿が出る私が入るのは他の入浴者に失礼といふものだらう。
仕方がないので待つてゐる間マッサージを受けることにした。余りに凝つてゐたらしく、マッサージをしてくれたオバサンに同情された。
マッサージ後、座敷でくつろぎ中川八洋氏の本を読んでゐると、S夫人が入浴を終へてやつてきた。何を読んでゐるのかと聞かれたのでお見せする。かなり引かれた。そりやさうだ。さういひながら、手にとつて内容を眺め、皇室の知識を深められる彼女は実に良い女である。人様のものだけどな。
S氏及びY氏が温泉から上がつてきたので温泉を後にする。