「あげまん」が良いなら(以下略

金も無いのに新聞を購読してゐる。通勤中に手を塞いでおかないと中村○子*1の類に痴漢にでつちあげられかねないからだ。爽やかならざる容姿だと自覚する以上用心するほかない。さういふわけで税務署は電車通勤のリーマンが購入する新聞代は経費と認めるべきだと思ふのだが、どうか。
で、私は産経を購読してゐる。アカ日や売日は日本人として流石に抵抗があるし、ナベツネは好かんから読売も不可。日経?
('A`)あれつて株屋か水商売のネーチャンが読むものぢやないの*2
さういふわけで消去法で産経。東スポの方がいいんだけど配達だと風俗欄がないんだとか*3意味無いぢやねえか。
さてそんな産経だが、一面に「産經抄」と題するコラムがある。執筆者の石井英夫氏は年配の方らしく、大抵の場合は当たり障りのないことを書いてをられる。そりやいい年こいて分別のないこと書き散らされたら堪らんし。
しかしながら9・11の航空機テロの際に墜死する男性の姿を「テロに対する抗議」だと幻視して失笑を買つたことを覚えてをられる方も多からう。つまり氏もまた「社会構築主義的まなざし*4」を持つひとなのだらう。
で、石井氏は今朝の産經抄で先頃あつた学校占拠事件をネタに一席ぶつてをられる。携帯なので打ち込むのが実に面倒なのだが引用してみよう。


▼そんな中世的暗黒と狂信の現場で、一すじの光明を見た。十三歳のハッサン・ルバエフという少年の勇気である。彼はテロリストに正面切って抗議、「あなた方の要求にはだれも応じない。われわれを殺しても何の役にも立たない」と叫んだという ▼テロリストは「お前はそう確信するのか」と問い返し、ルバエフが「はい」と答えると次の瞬間に銃声が響き、少年は倒れた。なんという野蛮、しかしまたなんという勇気だろう。堂々と正義を訴えて散った少年の光芒の人生を、涙してたたえたい。
ハンケチドゾー('A`)ノ〜◇
この一事から読み取るべきは、「圧倒的な暴力の前では正論は糞の役にも立たない」といふことではなからうか。ここで少年の勇気を称賛するのは、その能天気と無責任さにおいて空想的平和主義者と大差ない気がするのだが。平和を唱へるだけでは戦争は止まらないし、テロリストに道理を説いただけでテロがなくなる筈もなからう。
にしても「今は隠忍自重して、後日復讐に異教徒を虐殺するなり何なりせよ」とこの少年に教へる大人がゐなかつたことが惜しまれる。どうせ宗教絡みの闘争なんざ、当事者が血の味と臭ひに厭きるまでやるんだから。そしたら教典の中から寛容なり赦しなり引つ張つて来て手打ちするだらうさ。
ああ、ここを見てをられる賢明かつ酔狂な諸兄姉には改めていふまでもないが、「匹夫の勇」に涙するのもシニカルを気取つて突き放すのも、どちらも「保守」には程遠いと思ふよ、多分。


閑話休題。けふの産経の第二面にはこんな広告があつた。

魂ゆらの
  あげまん
('A`)ああ、そこの方ひかないで
で、本の表紙が載つてゐる。何か酒鬼薔薇を思ひ出させる字体で先程のタイトルが記載されてゐる。
で、帯には

*運命は祖父母が決める
*貧乏線と億紋線
*不幸は遺伝する
*※※※※*5ヘアの運勢学
*あげまん、さげまんの見分け方
まう品性を云々する水準ではない気がするが、産経的には「アンダーヘアー」は不可で*6、「ヘア」や「あげまん」、「さげまん」は良いらしい。
OKよくわかつた、ぢやあ今度の「無礼選盤」は、クラシックでお茶濁してないで、つぼイノリオを取り上げてくれ。

*1:少年法への満腔の敬意を示すために伏字にしておく。

*2:「就職活動に役立つ」と騙されて購読してゐた過去は私の黒歴史

*3:真偽不明。拡販の兄さんがさう言つとつた。

*4:緑犀浄庵は社会構築主義の意味を知らぬまま徹底的に莫迦にするつもりのやうです。

*5:ぼかしが入つてゐた。

*6:さうでなければぼかすまい。