炎上した後は?

本宮ひろ志ヤングジャンプに連載してゐる「国が燃える」で南京大虐殺を描いたとかで騒ぎになつたさうな。あれつて斎藤道三の話ぢやなかつたつけかと思つた私はいふまでもなく全然この漫画を知らない。
確かこのセンセイ一昔前に織田信長が世界征服するといふナニな漫画描いてゐたよな。その伝でいくと、大和魂がエネルギー源の殺人光線か何かで支那人を殲滅しまくるとかやつたのか。それともピンを抜いた手榴弾と一緒に支那人を詰めた信玄袋を数十メートル引きずつて池に放り投げ、爆発するのを楽しんだといふ、仮面ライダーも真つ青な超人的日本兵が登場する類のものか。いづれにしろ痛快な話ぢやねえか(マテ
とまあ冗談はおいといて、今時南京大虐殺は事実だとやつたもんだから、愛国心に燃える沸点の低い人々が騒いでゐるらしい。表現や思想の自由にも限度があると。私は冷笑家を気取つてゐるので同調はしないが、その心意気は買ふ。いい大人が冷笑家になつて莫迦を放置した結果が「100人斬つても大丈夫」な日本刀伝説とかが本になつてるもんな。莫迦に対しては見敵必殺で行くべきだと思ふよ、私も。
でもまあ、思想や表現の自由より優越すべきものがあるといふのは、正しくはあつてもそれは飽くまで個人の徳の問題であつて、他人に押し付けていいものではないよ。
確かに声をあげることのない年寄りの過去の罪科(しかも信憑性にかなりの疑問符がつくシロモノ)をあげつらひ良心派ぶるのは人として卑しい真似だし、その狂言回しにマスゴミ人―多くは自らの営利のために景気の良いことばかりを書き殴つた本物の屑―を起用するに至つては、そのなりふり構はない節操のなさに、随分廉価なお尻ですね、おいくらですかと聞きたくなる*1
だが、それを難詰するのに「愛国心」だ「言論の自由」だと、大上段に振りかぶることもあるまいよ。品性の問題にそんな大仰な言葉は要らない。
まあ何だ、本宮ひろ志センセイの漫画を真に受けるやうな輩ははつきりいつて見込みないから放置で問題ないと思ふんだが。
ではどんなものが見込みがある奴の読む漫画かつて?
田中圭一先生の「鬼堂龍太郎・その生き様」とかいいと思ふんだが。

*1:私にはその趣味はないから安くてもいらんが。