旅の終はり。

混迷極まるイラクに事前に周到な準備もせず、ろくに金も持たず、とどめにイスラエル経由で入国した愚かな青年が殺されたらしい。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20041030/K0030201911025.html
このニュースを見たとき、「諸君がブログのネタにした証生は死んだ、何故だ!?」「坊やだからさ」と書かうと思つたが、流石に不謹慎なので止めた。
イラクは我が国のやうに、昼間からパチンコに勤しんで北の首領様に献金する穀潰しを生活保護で養つたり、司法試験に受かつた頭脳明晰なエリートの皆様が、犯罪を犯した気違ひに免罪符を投げ与へて下さるやうな慈悲深い国ではないのだ。曲がりなりにもイラクに秩序を与へてゐたフセイン政権は、我らがキャプテン・アメリカが潰してしまつた現状では個人が物見遊山に出かけるべきところでは絶対にない。
地球上にはまだ、愚かさや弱さは罪悪である地域が少なくないといふことを、誰も彼に教へなかつたのだらうか。
彼は自分探しの旅に出たといふ。撮影された動画で彼は「日本に帰りたいです」と言つたといふ。還るべきところがあるといふことを理解できたといふことだらうか。
惜しむらくは気付くのが遅すぎたことだらう。


推敲中に昼寝してしまつたのだが、その間に続報が入つたやうだ。
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20041030/20041030a1230.html
亡くなつた方は香田青年ではないらしい。50前後の禿頭の非日本人だとか。…米軍が日本人に対してどの程度の関心があるかよく分かる話だ。やはり戦争に負けるものではないね。こんな連中の下風に立たねばならぬのだから。
流石に未確認情報に弄ばれる家族が気の毒になつてきた。