無かつた。

一駅歩きですかさうですか。
といふわけで、就職したばかりだつた五年前にキャバクラに連れて行かれて酔ひ潰れて終電なのに寝過ごして下車し損ねて、ゲロをぶちまけながら歩いた道を再び歩く。
やはり五年ぶりにかうして「いつかきた道」を歩くからには、ゲロのひとつも吐いて追憶に浸るべきなのだらうか。