金曜日。

三時頃に激しい頭痛と喉の渇きで目を覚ます。茶を飲んで用を足した後、無理矢理眠る。
六時頃起床。多少はましになつたものの、頭痛はおさまらないし、関節や筋肉まで痛んでくる。こりやたまらんなと嘆きつつ風呂を沸かす。入浴は手早く済ませたいところだつたが、体を動かすのが億劫で仕方ないため、存外時間がかかる。
七時過ぎ。気持ちの悪い浮遊感を堪へつつ着替へ。20分もかかる。これだけ体調が悪いのに、今日は定例作業があるため休めもしない。
家を出る。七時半を回つてゐる。普段の倍近い時間をかけて駅に着くと、民主党前職候補が選挙活動をしてゐる。写真よりずいぶんふくよかな印象を受けた。激務であらう政治家の職務をこなしつつ太るといふのは、神経が図太くできてゐることであり、恐らく称賛すべきなのだらうが、体調不良が長くつづいてゐる私にはその余裕が無い。といふわけで、「政治家は良い暮らしが出来て良いよね」といふ愚劣極まりない感想を抱く。犀も病んでは(-@∀@)に並ぶ。何と情けないことだらう。
乗車。既に八時を回つてゐる。密閉された箱の中の空気は澱んでをり、容赦なく私の体力を削る。新宿まで行く気力が無いので、池袋から地下鉄で職場に向かふ。いつもどおり新宿経由だと職場まで20分近く歩くことになるからだ。
やつと職場に着く。具合の悪さうな私の具合を見兼ねた同僚が近くにある医者を教へてくれた。昼休みまで半死半生のまま仕事をこなす。こんな状態でも出来ないことはないといふ業務だといふのが悲しい。
昼休み。フライングして医院に飛び込まうと思つてゐたが、その気力もなく時間通りに出る。検温。6度7分。流石半分が優しさで出来てゐる錠剤は効く。頭痛と悪心はまつたく収まる気配もないが。診察。ウイルスが悪さをしてゐるやうだが神経には今のところ異常は見られない、症状が軽快しない場合は精密検査を受けた方が良いとのこと。消炎剤の処方箋を受け取り医院を後に。
食欲は欠片もなかつたが、無理矢理詰め込み薬を飲む。しばらくすると多少楽になる。今度は気色の悪い浮遊感に襲はれる羽目になつたが。
そんなこんなで何とか仕事をこなし、定時を若干過ぎた頃に退出。駅の近くで免疫機能を向上させるといふ唄ひ文句のめかぶ蕎麦を吐きさうになりながら完食。
帰宅後即横になる。寝てゐる間に死ぬのは理想的な死に方だよなと埒もないことを考へてゐると、アマゾンに発注していた本が届いた。目を通す気力は何処にもなく、枕元にある本の柱に積んで間もなく意識を失ふ。