本日の調達品。

ローマ人の物語 (21) 危機と克服(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (21) 危機と克服(上) (新潮文庫)


 もはや坂をころげ落ちるばかりのローマ帝国を書いていて思うのは、中間と下部がダメになったら、いかに上部ががんばろうと何をやろうとダメ、ということである。
つまり日本はまうダメだといふことですか塩野先生。
ローマ人の物語 (22) 危機と克服(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (22) 危機と克服(中) (新潮文庫)


目的のためには手段は選ばず、とは、マキアヴェッリでも言っていない。マキアヴェッリは、目的のためには有効ならば手段を選ぶ必要はない、と説いたのである。
二十一世紀になつてもそこの違ひがわかつてない人多いよね。
ローマ人の物語 (23) 危機と克服(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (23) 危機と克服(下) (新潮文庫)

帝国の内乱を収拾し安定をもたらした皇帝ヴェスパシアヌスの子ティトゥスドミティアヌス。彼らも皇帝となり、各々優れたといつていい統治を行ふ。だが。

「治世が短ければ、誰だって善き皇帝でいられる」
ティトゥスについて同時代人が遺した一句といふ。このやうな言葉は、発した本人は辛辣な知性の表出と考へてゐるかもしれないが、実際のところ責任を全うした人への無責任かつ冷酷な悪罵といふべきで、品性の存在が疑はれる代物である。
弟のドミティアヌスも、以降の皇帝が継承してゆく数々の業績を上げながら、暗殺後に「記録抹殺刑」なる、ローマのエリートたちにとつて不名誉極まりない刑罰を課されることになる。
ローマ人の物語」を読み始めた最初の頃から、私には拭ひ難いひとつの疑念がある。いや確信といつていい。


ローマ人つて全然民度高くないだらう、ぶつちやけちまふと。