いくつもの夜を越えて。

山口県光市母子殺人事件だが、審理を高裁に差し戻したとのこと。こちら(↓)のブログの予想通りとなつた。見事なまでにポイントを押さへてあるいい記事だから是非御一読されたい。
http://www.yabelab.net/blog/2006/04/19-142053.php


 もっとも、最高裁が、「無期懲役では軽すぎる」と判断した以上、高裁はそれに拘束されますから、高裁としては事実認定や量刑に重大な影響を及ぼす新たな証拠が出てこない限り、死刑判決をするしかないわけであり、新たな証拠が出てくる可能性は本件ではなさそうですから、いずれは死刑判決が確定することになりそうです。

 そうなりますと、本件の裁判はさらに長期化しますが、長期化の原因の所在を敢えて指摘するとしますと、結果論ではありますが、安田弁護士ら弁護人側にあるのではなく、無期懲役を宣告した原審の高裁にあると言うべきでしょう。

裁判長期化の原因を弁護士ではなく原審の高裁にあるとする氏の意見はユニークではあるが説得力がある。


さて、審理が高裁に差し戻しになつたことで、被告人が死刑判決を受けるのは数年後になりさうである。で、彼はかう言つてゐたといふ。「罪は重く極刑以外ないが、生きたい。悪人のまま終わりたくない」と。あと数年もあれば十分更生できる余裕があるのではなからうか。弁護側がいふやうに本当に反省してゐるのならば、だが。
では数年後目出度く更生したF青年が吊るされる報せを待つことにしよう。何、更生したら死刑にする必要はないだらうつて? 君、支那の古人はかう云つたといふではないか。
「朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり」と。
F青年が更生し人の道を知つたなら、どうして己の死を厭ふことがあらう。といふわけで心置きなく吊るされてくれたまへ。