「大人の関係」ですと。

「逆風満帆」 元毎日新聞記者 西山太吉(1)

http://www.be.asahi.com/20060715/W14/20060705TTOH0004A.html


 沖縄返還をめぐる密約を否定し続けてきた国を相手取り、謝罪と賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。裁判はいま、終盤を迎えつつある。
 陳述書は、国家によって着せられた汚名を自らの手でそそぐ最後の機会になるかもしれない。
で、何が「汚名」かといふと、

 まもなく電信文の漏出元が判明し、西山は外務省の女性事務官とともに国家公務員法違反の疑いで逮捕された。
佐藤栄作首相は日記にこうつづっている。
 〈この節の綱紀弛緩(し・かん)は許せぬ。引きしめるのが我等(われ・ら)の仕事か〉
 11日後、検察が起訴状で使った言葉が流れを変えた。
 「情を通じて」
 妻子ある新聞記者と夫のいる事務官。ともに40歳をすぎた大人の関係だった。国民の「知る権利」への弾圧だとする報道は、男女スキャンダル一色に染まった。
 密約を暴いた筈の西山は一転、批判の矢面に立つ。闇に閉ざされた日々の始まりだった。=敬称略
要は手前の記事が政府を揺さ振ることができなかつたからと野党の政治家に電信文を渡して政争を起こしたと。しかもそれは害務省の女性事務官と情交関係を結ぶ、所謂「蜜の罠」で手に入れた代物だつたといふオチ。我が国の新聞史上最大級の汚点たる「西山事件」である。ちなみにウィキペディアによれば、この事件で毎日新聞社は草の根的な不買運動をやられて潰れかけたさうな。その窮地を救つたのが聖教新聞と。以後毎日新聞がどうなつたかはまあ、書くまでもないな。西山太吉の罪はどこまでも重いが、その自覚はどこにもみられない。
なるほど、ジャーナリストとはかういふものか。

さういへば、

支那の大使館だか公使館だかで電信官が自殺した事件があつたが、この事件の教訓を全く生かせなかつたつてことだよな。組織としてそれはどうなのか。