本日の調達品。

Fateは入手できず。

無限の住人(20) (アフタヌーンKC)

無限の住人(20) (アフタヌーンKC)

………私の
かつての知人
でな……

師の止めるのも
私の止めるのも
聞かず

海を越え
泰西を目指した
医者の卵が
おった―――

当時の私は
彼の短絡を
なじったものだ
日本にいてさえ
蘭方を学べぬでは
なかろうに………

………が
今はもう
責める気はせん

彼が 私が
世界の どこで
何を学ぼうと

目指す所が
同じであれば
やがては道を
交えるからだ

それは

眼下の
この光景と
似ている

人が
自らの息災を
感謝し

人々が
互いの息災を
讃え合う――

この光景を
目指す心に
蘭方漢方
何の隔たりが
あろうか

彼も 未だ
その道の上を
歩いていると
私は信じておる



チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)

歴史の闇に葬られた人類史上、最も美しき英雄、
チェーザレ・ボルジアの真実が甦る。
新鋭ダンテ学者・原基晶が監修。
世界的に最も定評のあるサチェルドーテ版・
チェーザレ・ボルジア伝のイタリア語原書を翻訳し、
性差を重ね生まれた全く新しい物語。

単行本の帯から。確か塩野七生が「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」のあとがきでサチェルドーテ版の日本語訳がないとぼやいてゐたやうな。まだ出てなかつたのか日本語訳。大した出版大国だ。


チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)

本当に彼らを
救済しようと
思うなら
残飯を与えても
意味はない

本当に与えねば
ならないのは
働く場であり
技術を身につけさせる
ことだ

だが連中は
それをしようとは
しない

貧民が豊かになれば
人々は地獄を信じなくなる
地獄を恐れるからこそ
神に救いを求めるのだ
だから教会は
その力を発揮できる

つまり教会には
恐れ苦しむ人間が
必要不可欠なの
だろうな…

彼らから
光ある未来を取り上げ
与えるものはたった
一欠片のパンのみ

そして
祈れと言う

祈れば
救われると…

神に祈ることで
救われるなら
何故あの者達は
毎夜餓えて残飯を
漁らねばならぬのだ

何故母親が
生まれたばかりの我が子を
水に沈め
殺さねばならぬのだ

それを見ても
奴らはただ
祈れと言う

祈れば腹が
ふくれると言うのか
祈れば温かな寝床で
眠れると言うのか

聖職者になつて搾取する側に回ることができたならば「祈れば腹がふくれる」し「温かな寝床で眠れる」。
信仰は大切だ。