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ダークエルフの口づけ〈2〉―ソード・ワールド・ノベル (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 川人忠明,椎名優
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
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わかりません。わかりたくもありません><
「ふふふ。まだ納得していない顔をしているわよ、ベラ。確かに、いまあなたの思っている通り、まだ話していない事情があるわ。でもね。この国ではいつでもだれかがだれかを騙していて、いろんな陰謀が企てられているの。それなのに、だれもが自分だけは騙されていないと思っていたりする。まったくバカバカしい話よ。いったいなにが本当で、なにが偽りなのか、はっきりわかっている人なんて実はひとりもいないんだから。まあ、要するにあたしがなにが言いたいかっていうと、結局のところ、真実は自分で見つけるしかないってこと。わかる?」
ファンタジーとは違ひ死者が甦ることはないこの世界でも、それが真実だといふのならたまらないものがある。
「だれだって、死ぬときには本当に自分が望んでいたことがなんだったのかって気づくものよ。そして、だれもが後悔するの。だって、いつでも、本当に望んでいたことっていうのは、すこしも叶えられていないんだもの。だから、もう一度まぶたを開けたときに思うのよ。今度こそ、本当にしたいことをしよう。それまでは、死ぬのはイヤだってね」