安倍総理辞任。

余りにもあちこちでボロクソに言はれてゐるものでつひ弁護したくなつて朝方に書き始めたはいいがどうにもうまく書けない。没にして簡単に済ませる。
国民投票法等、重要な法律を成立させたことには感謝を。
・病についてはご自愛下さいとしか。噂に聞くところの潰瘍性大腸炎ならば快癒を祈るといふのは嫌がらせでしかないし。
・実績についてはいつか正当に評価される日が来るだらう*1。ただ、その日が遠いことを祈る。その日が近い場合は総理が幽明境を異にするか、我が国が今以上にろくでもないことになつてゐるかどちらかしかないから。
こんなところかね。

ところで、子供の頃から今に至るまでずつと不思議に思つてゐることが一つある*2。どうして我が国の首相は辞めるときとことん生気を失ひ萎びた状態になるのかといふことだ。私の記憶にある限り最も無神経な首相は細川護熙氏と小泉純一郎氏だつたが、その二人でさへ辞任直前は見てゐられないものだつた。つまるところ我が国は位人臣を極めた者に対してもさういふ無体な扱ひをする国なわけで、そんな国が下々の者の生活に心を砕くわけがある筈もなく、派遣労働者労働基準法が守られぬことに憤り、貧民は生活保護を受けられずに餓死する、と。良い話だな。
まあ、近所の貧乏人が餓死したときに行政の冷酷さを詰る口はあつてもさうなる前に差し伸べる手は持たない我々には相応しい光景といふほかない。薄情な我々は薄情な政治家しか持てず、従つて何かあつても薄情な取り扱ひしか受けられないのは自然なことなのだらう。むしろ「何もないとき」にはそれなりの扱ひを期待できる社会を構築できただけ上出来なのかもしれない。
我々の持つ同胞愛の水準が牟田口廉也並から向上する日は来るのだらうか。ポッポ鳩山が民主党を結成したとき盛んに「友愛」とか唱へてゐた気がするんだけれども。

*1:失敗についてはリアルタイムで筆誅の嵐なので私が何か付け加へることは特にない。

*2:いや一つどころではないのだがそこはそれ、修辞といふやつだ。