本日の調達品。

新刊を置いてある台の前に陣取つてゐたデブが死角を作つてゐたためにソードワールド・ノベルを買ひもらした件について。デブは人類の敵だな。私も明後日あたりから少し痩せようと思ふ。







 思えば、そんなくだらない会話をしている時が一番幸せな時間だった。
 だが自分は、それに気づくのが遅すぎた。
 あの時に、気の利いた言葉の一つもかけてやれなかったことを。
 あの場で勇気を出して頷くことだって、苦手な愛想笑いの一つだって、こうなることを知っていれば――

我が身にてらして嗤ふべきか呻くべきか迷つた後、人の世ではさして珍しいことでもなからうと結論が出たので寝ることにする。
なるほど「憂き世」とはよくいつたものだ。