五分類説なんてのもあるでよ。

PCからネットが繋がらない間に色々記事が出てこのエントリ書いた意味半減どころではなくなるとかまうね…
さて。ここなんだが。


ryokusai law, これはひどい 何度も読み直したが、憲法の国事行為には大使と公使以外の外国要人の接受は別段定められてゐない件について。 2009/12/15
かうコメントしたら

kyo_ju 天皇制, 政治 id:ryokusai そうすると過去の外国要人"引見"だの何だのも憲法を逸脱した天皇の政治利用ってことになるけどいいの? 2009/12/14
かういふ質問が来た。この時点で私の頭の中では「?」が乱舞してゐたがまあそれは措く。

nisshi_jp 憲法を読み直し始めたら二分類説・三分類説の戦場のど真ん中にいたでござるって感じだし、記者もその場でid:ryokusaiid:kyo_juコース位突っ込んでよ。たかが運用指針です、でやめとけばよかったのに自ら戦線拡大するとは 2009/12/15
で、さらにかういふコメントがついた。


どうせ「おおやにき」で取り上げるだらうからそれまで待てばいいんでないのとかどう考へてもid:nisshi_jp氏の方が詳しさうだからそちらに聞いたらとか思つたのはここだけの秘密だ。
で、二分説やら三分説やらは「言はれてみるとああさういふ言葉があつたかもね」程度にしか覚えてゐなかつた*1のでぐぐつた。一読して反対する点が何一つ見つからなかつたのでこれを回答に代へたい。手抜き? 全くもつてその通りですね。
ネタ元はこちら。衆議院憲法審査会の資料から。強調は引用者、つまり私による。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/shuken013.pdf/$File/shuken013.pdf

②公的行為の根拠、限界及び責任の主体
●国会における議論(第118 回国会・H2.5.17 衆議院予算委員会
○政府委員(工藤敦夫・内閣法制局長官) ……天皇の公的行為の問題でございますが、決して私ども拡大するというふうなことではございませんで、昭和48 年当時既に田中総理もおっしゃられておりますし、あるいは私どもの法制局長官の高辻、吉國、角田、茂串といった歴代の法制局長官がお答えしているところでございます。申し上げますと、天皇の行為には国事行為、公的行為及びこれらのいずれにも当たらない行為、こういう三つがあるということでございます。いわゆる天皇の公的行為というのは、憲法に定める国事行為以外の行為で、天皇が象徴としての地位に基づいて公的な立場で行われるものをいう、こういうことでございます。
 で、天皇の公的行為、今憲法上の位置づけという御質問でございますが、憲法上明文の根拠はないけれども、そういう意味で象徴たる地位にある天皇の行為、こういうことで当然認められるところである、かようにお答えしてきているところでございます。また、天皇の公的行為というのは今申し上げましたように国事行為ではございませんので、国事行為の場合にはいわゆる憲法に言う内閣の助言と承認が必要であるということになっておりますが、天皇の公的行為の場合にはそこで言う内閣の助言と承認は必要ではない。また、あくまで天皇の御意思をもととして行われるべきものではございますが、当然内閣としても、これが憲法の趣旨に沿って行われる、かように配慮することがその責任であると考えております。
 それから、若干、限界といいますか、そういう意味のことのお尋ねもあったと思いますが、天皇の公的行為というのは、今申し上げましたような立場で、いわゆる象徴というお立場からの公的性格を有する行為でございます。そういう意味では、国事行為におきますと同様に国政に関する権能が含まれてはならない、すなわち政治的な意味を持つとかあるいは政治的な影響を持つものが含まれてはならないということ、これが第一でございます。第二が、その行為が象徴たる性格に反するものであってはならない。第三に、その行為につきましては内閣が責任を負うものでなければならない。かようなことであろうと思います。
 内閣が責任を負うという点につきましては、その行為に係る事務の処理が行政に属すると考えられますので、憲法65 条によりまして行政権の主体とされる内閣がそれについて責任を負うべきことであろう、かようにこれまでもお答えしておりますし、お答え申し上げたい、かように思います。
といふわけでは国事行為以外の公的行為は小沢氏が吠えてゐた内容とは異なり内閣の助言と承認は不要であり、また基本的に政治利用にあたることはなく、あたるものがあればそれは内閣が責めを負ふべき不適切なものであつたといふことにならう。個人的には宮澤内閣がやらかした天皇陛下の御訪中とかが該当すると思ふ。彼が誅戮されず天寿を全うしたことは我が国にはもはや右翼(分類的には「行動右翼」とかいふのかね、よく知らんけど)はゐないことの証左であらう。



で、こちらからも聞かせていただきたいことがあるわけだが。本件と全然関係ないけど。
http://b.hatena.ne.jp/starbow/20090213#bookmark-12047942
このid:starbow氏を脅かした件は結局どうなつたの?

*1:憲法の講義を担当した教官が「日本国憲法の要諦は中間団体の破壊にある」とか鼓吹してゐたくらゐしか記憶にない。ちなみに彼は「憲法三天才」と謳われた俊英だつたが後に痴漢容疑で逮捕されて大学を辞めた。