仕事行きたくねえなあ。

私が行かなくても職場は回るが私の首が回らなくなるから行かないといふ選択肢はないが。
平日にはかうして早く土日にならないかなと願ふくせに、土日になつたからとて特にやることがあるわけでもない。かうして定年まで流動食を流し込むやうに人生を消化していくのだらう。これでも氷河期世代で職にありつけなかつた人々、今の第二次氷河期でまだ身の振り方が決まらない人々に較べればましかもしれないといふのは気が滅入る。
土曜の昼下がりあたりに放映してゐた、舞台が温泉でもなく殺人事件も起こらないドラマで、くたびれたサラリーマンが職場とは反対方向の電車に乗る場面をふと思ひ出した。あの頃彼の逃避に何となく共感を覚えてゐた子供は今かうして逃げることもできず磨り減つて行くだけのサラリーマンになつた。
別にやり直したいとかさういふことを思つてゐるわけではない。特によい思案があるわけでもなし。
ただ索漠たるものはある。