本日の調達品。

F.S.S.の呆れるばかりの刊行スピードに付き合ふ類の人は当然ご存知だらうが、F.S.S.は雑誌の連載を単行本化する際には内容を削りまくる。余分なものを削ぎ落とすのは創作では不可欠な作業だが、本作品については正直単行本化されたものより雑誌連載時の方が好きだつた私はずつと不満だつた。だから『リブート』を阿漕な商売をしやがると唾棄しつつも買ひ続けてゐるわけだが*1
今巻は初単行本時に削られた描写が復活したので大満足である。具体的にはかういふところが。

よくおろうが!
戦場に兵を送り出して
心痛めるふりをし
心を鬼にして、死地へ
送るとほざくやからが

そんなもの偽善よ
少なくとも我輩は
そんなことはせぬわ
それだけのことよ!

元ウースー国の将軍、メイユ・スカ閣下の有難いお言葉。ちなみにこのシーンの直前にはミラージュ騎士、ミシャル・ハ・ルンがまさにそのやうなことをやつてゐたりして腹を抱へる。
単行本ではこすい軍人崩れにしか見えなかつたスカ閣下が有能な軍指揮官として活躍してゐるのは実に痛快である。ガンダムのアニメ放映時とジ・オリジンのマ・クベ並に違ふから旧単行本をお持ちの方は比較してみるといい。
まあそれでも最終的にはシャフトの駆るヤクト・ミラージュにあつさりぶち殺されるわけだが*2

*1:だつたら当時からTales of Jokerを買つておけ? 流石にそこまでコアなファンぢやあない。

*2:でもつてそのシャフトもその直後ボスヤスフォートのダイバーパワーで瞬殺されたり。