大人の女性との語らひ。
元F嬢(現T氏夫人)より電話がある。寝呆け眼のまま電話に出た。
これではあんまりなので明日にでも調べておかうと内心思ふ。その御T氏と電話を替はつて貰ひ、互ひの近況報告をする。
日記を書いてゐるとまた電話がかかつてきた。今度は4月にN氏*2夫人になるF嬢から。仕事や結婚式の準備でさぞ忙しからうに。
「〜君は最近何かいい話ないの?」
「ございません。」
前から変はらぬやりとり。未だ彼女の一人も作れぬことを心配してくれてゐるらしい。
私を気遣つてくれる女*3がゐると思ふと、冷え症にお悩みの私の心(28)も一時あたたまる。
だが、外見や収入などの要素だけでなく精神的な問題*4から、私が異性と前向きな関係をつくることを諦めきつてゐる(つもりな)ことは、彼女には理解して貰ひたかつた。「甘え」とは承知の上で。
今回くらゐは個性的ぶつたひねりは止めて紋切り型の祝電を送らう。山本夏彦翁の仰られたやうに、紋切り型に心を盛れれば上出来といふものだ。