追憶は遥かに遠く。

T氏及びY氏と夕食。回転寿司「大江戸」にて。適当につまみつつ、はまちを注文。普通にはまちが出てきて少し失望する。
シャコを頼んだら、誰がみても魚類としか思へないネタを握つてくれるアジア系板前(非日本人)こそが私を魅きつけたこの店の醍醐味だつた筈だ。それが何故注文通りのネタを握つて寄越す。
我が内なる魂の慟哭を誰かが聞き届けたのだらう、支那人と思しき店のお姉さんが、「アラ汁(味噌汁と発音したのかも)注文されたお客様〜」と、汁腕を持つてきた。やはりかうでなくとはと、少し機嫌を直し、アラ汁でも味噌汁でもない「とも汁」をすする。
勘定を済ませ帰途に着く。雨と卒業祝ひの飲み会のせゐで、ただでさへ鬱陶しい人混みがさらに鬱陶しい。あの頃の感動は、今はどこにもなかつた。