潮目を見切れ。

皆様週末は如何お過ごしでしたか? 昨日が駄目駄目だつた私は今日に賭けてゐたのですが、「旧い旧い友人に美人局をカマされてサヨク活動に引き込まれかける*1」といふ最悪の夢見でした。余りの趣味の悪さに腹を立てて二度寝したら続きを見る羽目になりました。我ながら救へません。


さて、大量の医薬品だの食料を気前良く恵んだ上に、経済制裁をしないことを約束しながら、プリンセス・テンコーのファンといはれるパンチパーマの肉団子からろくに譲歩も引き出せなかつた我らが首相閣下に対し、産経系の識者や家族会の面々が酷評してゐるさうな。いかん。大変いかん。
元より北がこちらの望む回答を出すわけがない*2。ちまちまとボツタクリ風俗の筍剥ぎよろしくカネやモノをたかるのはある程度予想できる筈で、マスゴミあたりに楽観的な見通しを吹き込まれたのだらう家族会の人々は、冷静さに欠けてゐた気がする。
イラクでの邦人拉致事件で、三邦人が三莫迦呼ばはりされたのはまだ記憶に新しい。私も莫迦呼ばはりした一人だが。彼らが厳しい批判にさらされたのは、とある識者がいふやうな、彼らの思慮の浅さだけではあるまい。反対に別の識者がいふやうな、崇高な志のもと、日本社会を飛び出した彼らへの、横並び大好きな狭量な日本人の嫉み*3でもあるまい。
端的にいつて、メディアに露出した家族の振る舞ひが、それを見てゐた日本人の美的感覚を(悪い方向に)強く刺戟した結果だろう。みつともない真似をするものだと。
今回の、いやしばらく前からの家族会の振る舞ひにも私は同様のものを感じる*4。日本人にアピールしたいなら、主張の当否を吟味する以前に、主張の仕方を工夫すべきだらう。はつきりいつて、主張の内容を吟味する連中はいつでも少数派なのだから。
愛娘を非道な国家にさらはれ、その国家の意を汲む外道どもに嘲笑や妨害を受けながら、そして同胞の無関心に傷つきながらここまで来たのだ。やつと同胞には理解されるやうになつたのに、「いい絵」が欲しいだけのマスゴミの笛に踊らされてキレる愚は犯すべきではない。消耗品として使ひ捨てにされたいなら別だが。
輿論の潮目、その見極めを誤る余裕は家族会にはまうない筈だ。冷静になつて欲しいものである。何、北が宣言を遵守する筈もない。経済制裁で締めあげる機会はこれからいくらでもある。

*1:「行為には至らなかつた」ため脅迫には屈しなかつた。私にしては上出来である。出来ればやることをやつた後にさうして欲しかつたが。

*2:出したところで、かの国が求めるレベルの援助をするわけがないからだ。

*3:ここは笑ふところかね?

*4:2chではさらに早くそれを感じた連中がゐた。