万事休す。

仕事を定時に上がり秋葉原に。別にエロ同人誌やエロDVDを購入しにやつてきたわけではなく、疾病の治療に来たのである。
触診の結果。
「手術だね。」
そんな御無体な。あの、仕事休めないんですが。
「会社は君が人工肛門になつても面倒みてくんないよ?」
だからといつて、やつてきて早々仕事に穴開けてりや復帰後の残りの出向期間が随分楽しさうです。
「まあ、人工肛門になることは絶対ないけどね。」
それは良うございました。小生手術の時期を逸して人工肛門になつた暁には、私を出向させた担当者を捜し出してその脳天をかち割り、この出つ腹かつさばいて糞と血膿が詰まつた私の腸でも御賞味頂かうと愚考してをりました。
「ぢやあまた金曜日来て。」
了解いたしました。正直暇だとされる今の時期でも定時に上がるのが気まづいところなんですが。


私の人生の二十九年目は随分楽しさうだ。死ぬのが二十年ばかり遅過ぎたと嘆くも、その後悔もまた遅い。
命長ければ辱多し。そのことをあらためて思ひ知つただけでも年を重ねた甲斐はあつたと、私は満足すべきなのだらうか。