晴れた日には午後休をとつて

前の職場で暑気払ひをやるから顔を出せと言はれてゐたので行くことにした。
前の職場に着き、まづは用を足す。トイレの窓から外を見ると、随分盛り上がつてゐる。かういふ良い雰囲気のところに後から入るのは私のもつとも苦手とするところなので、帰らうとしたところ本日の宴の実行委員役をつとめてをられた方に発見され、会場までついていくことになつた。
会場についた。組織の一員から「お客さま」になつた私のために、わざわざ飲食物をもつてきてくださる方たちがをられたので、有難くそれを頂く。私と同じく1日にこの職場を離れたT氏と談笑したり、職場を去る際に挨拶できなかつた方へ挨拶回りなどをして過ごした。
一度お開きになり、片付けをほんの少しだけ手伝ふ。その際微酔ひ気味のお姉さまに、今日は来てくれて有難うと軽く抱きつかれた。軽く反応しかけた下半身と、「ひけてる腰が私の男性的魅力(失笑)に対する評価を端的に示してるね」と思考する私の脳の情けなさに二重に打ちのめされる。ついでに物心ついて以降、異性に抱きつかれたのは金絡みを除けばこれが初めてだらうことを後で思ひ至り、きちんと感触を堪能しなかつた愚かさに愕然とした。私にとつては千載一遇の機会ではなかつたかと。
片付けの後、潰れた人を介抱しながら雑談。とても偉い人であるH氏が飲み直すといふので、雑談中にどうしようか悩んだ*1結果ついていくことにした。人が余りついてこなかつたことにH氏は不満げであつたが、週末とはいへ遅い時間に飲み直すのは余り魅力的な誘ひとは思へないし、潰れた人の介抱を誰かに任せて飲むのは楽しくなからう。ついでに我々の面子が魅力的なものでなかつたことも否定はできない。
店で飲みながら雑談。氏はしきりに私の好みの女性のタイプを知りたがつた。まさか「変な病気持つてなければ、そして余りにも極端な容姿をしてゐなければ大抵の女とやれる自信があります*2」と正直に述べるわけにもいかないので言葉を濁した。
結局帰りは終電近くになつた。

*1:読者の方はご存じだらうが、私は酒を止められてゐるからだ。

*2:そのために周囲に嘲笑され、また憫笑されながら風俗で心胆を練つたのだから。