友の眠る地に。

具体的にどの辺に眠つてゐるかは知らんといふ私の迂闊ぶりに呆れ果てた姉が友の実家に電話をかけて場所を聞き、義兄が地図を用意してくれた。でもつて目的地の砺波までは姉の運転で。気持ち良いくらゐに何もしてゐない私。楽するために邪魔なプライドなんざ要らん。
目的地には着いたが、場所を探すのに手間取つた。やうやく(姉が←おい)見つけたのでコンビニに寄り、再び戻る。
燐寸を擦り、蝋燭に火を灯す。その火で線香の先を炙り、線香立てに立てる。
手を合はせしばし祈る。去年近くに寄りはしたものの、会ふのは10年ぶりだらうか。まさか幽明境を異にしてゐるとは思はなかつたが。
今度はHと一緒に来るよと声をかけて墓前を去る。
帰宅後急に胸が痛む。彼はそこまで寂しがり屋ではなかつたし、よし私が逝つたところで彼とは違ふところだといふことがわからぬほど愚昧ではなかつたと思ふのだが。
もしかするとあれか、彼の墓所を探す最中にところ構はず放屁したから別のが私に悪さしてるのか。幽霊の存在を信じない*1私に祟るとは小癪な。
次行くときは薩摩芋食つてからにしてくれる。

*1:だつてゐたら怖いぢやないか。