僞善と感傷の國。

胸糞悪いニュースを寝る前に一本。
厚労省が12週未満の中絶胎児の取り扱ひについて、この問題は「生命の尊厳にかかわる」から「適切な取り扱い」をするやうに都道府県に「通知」を出すさうな。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20040924/K0024201911032.html
「ヒト」として生を享け、しかし「人」になる必要はないと親に決められて日の目を見る事無く砕かれ掻き出された胎児に対しても、慈悲に溢れる厚生労働省サマは「生命の尊厳」をお認め下さるわけだ。「人ではなけりや下水に流して何の問題もなからうに」といふ私とは人間の出来が違ふらしい。この国に溢れる善男善女の皆様も、厚労省の判断を是とするのだらう。
幼子の首を切断して射精するやうな気違ひを、名前を変へてまで社会復帰させようとするこの国*1、胎児がただの肉片になつてからやうやく「人間」扱ひするこの国において、「生命の尊厳」とは一体何なのだらうか。考へるだけ莫迦莫迦しいといふ気もする。
マキアヴェッリだつけか、君主たる者、道義心は無くてもいい(むしろあつてはならない)が、道義心がある「かのやうに」振る舞ふことは大事だと言つたのは。そして崇徳院だつけか、君をとりて民となし、民をとりて君となすとこの国に呪ひをかけたのは。で、この国には偽善と感傷に満ち溢れた「主権者」がはびこるやうになつたわけだ。
どこにも救ひはなささうだから、やはり寝てた方が幸せだな。それでは今度こそ喪やすみなさい('A`)ノシ

*1:彼が復帰した先の地域社会の幼子の安全に司法行政が配慮したといふ話は寡聞にして聞いたことがない。