昨日の話なんだが。

職場のお姉様がアメをくれた。タダなら大抵のものは有難く頂く主義なので、今回も有難く頂いた。ドリアンのアメを。
ためつすがめつして臭ひを嗅いだ後口に入れる。想像してゐた程アグレッシヴな風味はなかつたが、ドリアンが駄目でアメを貰はなかつた方に「チャレンジャーだね」と評された。
この程度はチャレンジャーの名に値せぬと、かつての挑戦の日々を語らうかとも思つたがやめた。私にも守らねばならぬ立場がある。
私の就職戦線での戦ひぶりを知る友人達なら、私のこの人間的成長に感涙を禁じ得ないのではなからうかと曇天を見上げてふとさう思つた。


ちなみに前述のお姉様だが、アメが受けなかつたことに落胆してゐた。さういふときに優しい言葉をかけられたなら、私も喪板に入り浸ることもないのかもしれない。