「どらま」にて。

大塚の歯医者で治療を受けた後新宿二丁目へ。このエリアに踏み込んでしばし後、歩調にまるで躊躇ひがないことに自分で驚く。私はノン気なんだが。
月曜でしかもまだ早い時間であることもあり、客は少ない。賑やかなのは苦手なので私としては有難い。
お通しを噛んでゐると、何か妙な感触がする。不調法を承知で吐き出すと、先程の歯の治療中に入れた詰め物が。…おい。
いづれ同衾しようといふバーテンの言葉を曖昧な笑みを浮かべて躱しつつ*1、酒を呷る。
竹内まりや今井美樹等の、80年代〜90年代初めの曲を聴きながらアタリメを齧る。この時代の曲を好むといふことは、どうしやうもなく子供だつたあの頃を懐かしんでゐるのだらうか、いやそんな莫迦な、あの頃は今以上に砂を噛むやうな日々だつた筈だ、過去は常に美化されるものだと、思ひは乱れる。
ひとしきり飲んだ後、店を後に。

*1:二丁目へ来ておいて峻拒とは大人気なからうといふものではないかね、君。