二日酔ひが。

七時半過ぎに目を覚ます。何故かベッドの脇の床にうつぶせで倒れてゐることに気付く。変死体か私は。
折角ホテルをとつてもらつたのに寝てゐたのは床でしたでは余りに悲しいのでベッドに潜り込むことにした。チェックアウトとかどうするのかは気にしない。
電話が鳴る。フロントからだ。チェックアウトの時間はとうに過ぎてゐるのだがとのこと。時刻を確認すると十時半を回つてゐる。愕然として跳ね起き、寝癖をスプレーで無理矢理撫で付けてからフロントに。フロントで精算時、お連れの方は大分前にチェックアウトしましたよとのこと。起こしてくれ。いや起きなかつたんだらうけど。二日酔ひで痛む頭を抑へつつ街に出る。夜だとわからなかつたが、昼だと建物に入つてゐるテナントが様変はりしてゐることがよくわかる。
正直しばらく散策して郷愁に浸りたかつたが、 二日酔ひで痛む頭がそれを許さない。駅で牛タン弁当を購入したいところだが二日酔ひでむかつく胸がそれも許さない。非常に残念だつたが手ぶらで帰る。
帰りの新幹線は普通に座れた。