産科終了のお知らせ。

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/08/post_ee1d.html
死産だつたので警察署に届けたら業務上過失致死の疑ひありですと。これでは以後産婦人科医になる奴ゐないんぢやないかと思つたら産経にこんな記事が。全文は先方で読んでくれ。強調は引用者による。


≪偏在許す医学部の改革を≫
 これではいくら医師を増やしても問題は解決しない。一口に地域の偏在といっても、問題は地方の大学病院を選ぶ医師や離島、僻地(へきち)に勤務する医師が少ないことにある。また、診療科の偏在が起きるのは、新人医師が診療科を選ぶときに、自分の都合しか考えないということに尽きる。その証拠に、小児科や産科が敬遠される中で、新人医師の人気は勤務時間が規則的で他の診療科と比べると、比較的きつくない皮膚科や眼科に集中している。
 厚労省は複数の小児科医や産科医のいる拠点病院の設置で対応している。確かにこうした短期的な対策も必要だが、もっと長期的な視野に立った根本的な解決を図っていくべきである。
 例えば、入学者に対して卒業後に県内の離島や僻地の勤務を義務づける「地域枠」を創設する地方の医学部が相次いでいるが、こうした地域枠の拡大は地域的な偏在の解決になりうる。診療科の偏在については医学部に「産科・小児科の専門コース」を新設することで小児科と産科の医師を確保するといったことも検討に値すると思われる。
では貴方が職を辞して離島や僻地に赴き夜も昼もなく地域医療に尽力し、さらに精力的に論文を発表して医師としてのキャリア形成において勤務地域による不利がないことを証明し、なほかつ医療「過誤」に対して訴訟を提起されたときには堂々の論陣を張つて司法の医療に対する無理解を説破することで、後に続く若者の師表となるが宜しからう。まさか「自分の都合しか考」へずに大学教授の地位に恋々とするやうなことはあるまいね? 離島や僻地の住民もぺーぺーの若い医師より貴殿のやうなベテラン医師が来るとなればさぞ心強からうと思はれるが。
ともあれ最初のURLで紹介した件で、日本の産科医療に止めが刺されたといつても過言ではないやうな気がする。この事件を知つた産婦人科医は産科からの撤退を考へるだらうし、残つた者の負担は増大するだらうし*1安心して出産できる環境とやらは年単位(もしくは数十年単位)で遠のいたことは確実だ。少子化は止まるまいて。ではこれからの少子化社会にどう対応するかだが、経済界が主張する移民は論外だらう。こんな事件起こつてゐるし。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/15508/
低賃金労働者を調達するあてがないから他所の国から輸入しようといふのは人買ひの論理でしかないのだが、それが我が国で唱へられてゐる事には憂慮を禁じ得ない。少しは恥づかしいと思はないのか。
やはりここは技術大国の意地を見せて、メイドロボクローン人間の開発に国家を挙げて踏み切るべきではなからうか。後者なんかはヒトラーユーゲント上がりを頂点に戴くカルト団体あたりが五月蝿さうだが、獣耳&尻尾を付加することで「いや、これ人間ぢやないし」と言ひ抜けると良いと思ふ。
『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』の発売は9月に延期になりました。残念ですね。←何だこのオチ

*1:単に人手が少なくなつたといふ作業量的負担だけではなく、死産であれば業務上過失致死が適用されかねないといふのでは心理的負担もこれまでの比ではなくなるだらう。