帰省。

年末年始の休みに入つたので帰省することにした。ほんの少し部屋を片しただけでくしやみが止まらなくなつたので早々に諦めて家を出る。
予定より日本ほど前の列車で大宮に行くつもりが、人が線路内に立ち入つたとのことで二十分近く遅れて焦る。無論土産など買ふ暇もない。
大宮から越後湯沢まで新幹線。座れるとも思へぬのでさつさと指定席車両のデッキに立つ。立つ分にはそれなりに空いてゐる。
越後湯沢で乗り換へ。自由席車両に乗らうとする人々は走る走る。まあ私も走つたが。結局乗れず指定席車両のデッキに。今度は混んでゐる。トイレの近くに立つことに。便利だらうが何だか臭い。近くに立つて本を読んでゐた男はトイレの扉の前で最低限しか動かないものだから、トイレの利用客が難儀してゐた。伊藤整全集なんぞ読んだところで人格の陶冶にはならぬらしい。
強風のため列車が止まる。いつ動くのやらと思つてゐたが、三十分程で動いた。もつとも次第に列車は遅れ、富山に着く頃には四十分以上遅れた。遅れる旨姉に連絡して程なく携帯の電池が切れる。退屈を持て余しながらひたすら立つことになる。
着いた。雪が積もつてゐる。寒い。改札を出るとポメラニアンを抱いた御婦人が。去年脱走した実家の犬かと思つたがまあ違ふ犬だらう。うちの犬だとしても今更寄越せといふわけにもいかない。
姉の車に乗つて帰宅。