本日の調達品。

機動戦士ガンダムギレン暗殺計画 1 (角川コミックス・エース 83-5)

機動戦士ガンダムギレン暗殺計画 1 (角川コミックス・エース 83-5)

ヒトラーの尻尾」こと我らがギレン閣下の暗殺計画。最初タイトルを見たときはヒトラー暗殺計画を宇宙世紀で焼き直し、とか思つたが(事実さうなんだが)、なかなかどうして面白い。ガンスリンガー・ガールに似た画風なのも奇妙な感じがしてこれもまた一興。

我が国の
政治制度は
誇っても良い

我が国には
選挙があり…
議員は全て
民意で選択され

公王家と
共に政治を
行っていく

しかし
問題は

それを行う側に
あるのだよ

あの議員を
見たまえ

彼はこの国では
野党だ…
この国には
驚くべき事に
野党がある

そして彼は
総帥自らが
提出した重要法案
に反対意見を
述べている

彼の発言は
議事録に残り
彼は総帥に反対意見
を述べた男として
歴史に残るのだ

そして彼ら
野党が
本質的に
欲しているのは

まさに
それなのだよ

自分の信条に
命を賭す事が
出来る人間
なんぞ
ほんの一握り
しかおらん

ほとんどの者は
「自分は権力者と
戦った」と言う
行為で満足して
しまう

まして
最高権力者から
譲歩を引き出せば
大勝利だ

政治に
関心の無い
一般国民に
至っては

パンと
ワインと娯楽が
与えられれば
政治形態を
問いはしない

…ギレンは
誰が…

何を欲している
のかを良く
知っている

ジオン公国首相ダルシア・バハロのギレン評。我々が未だにギレンを持てないのは果たして幸福なのか不幸なのか。
容易に答が出ないその問ひを得ただけでもこの本を買つた甲斐はあつた。


だといふのに。



実際にはギレンは案外、気のちっちゃい人なんじゃないですかね。
何でこんな空気の読めない人間を巻末インタビューの相手に選んだんだ角川書店は(嘆)。