問ひ質したきこと。

先の総選挙で民主党に投票しなかつた者は帰れ。君たちに聞いてゐるわけではないから。





さて。下記のURLを踏んで記事に目を通して貰ひたい。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091213AT2M1201P12122009.html
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121401000066.html
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091214/plc0912141010002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091214/stt0912142034013-n1.htm
次にとある未完の小説*1を引用する。強調は引用者による。

「やってみなければわからん!」カルホノフは怒鳴った。
「同志カルホノフ」フョードロフは言った。内心で、奇妙なほど強い焦燥感と倦怠感がせめぎあっている。
「あなたと意見を共にする同志たちと同様に、あなたも教師だったのだろうか?」
「そうだ」カルホノフは胸を張った。
「将来、子供たちに闘争について質問された時、あなたはそう教えるつもりなのか?」フョードロフは言った。
「先生は、故郷の未来を賭博の対象にしたんだよ、と?

民主党の政策に良いものを見てそれに投じた人々については、それはそれでいい。彼らの期待が裏切られたとしても、それは投票した者の不明と投票された者の不実を示すだけだから*2。だが、民主党に何も期待しなかつたくせに、とにかく「政権交代が必要なんだ」と投票した者には聞きたい。その選択は子供たちに向かつて誇れるものなのかと。
実は答へは期待してゐない。この小説の続く部分には既に回答が用意されてゐるからだ。といふわけで続けて引用する。

「わたしは間違っていない」カルホノフは堂々と言った。
「故郷を連邦のくびきから解き放つためにはすべてが許容される! 正しいものは正しいのだ! 正しくあるからには失敗するはずはないのだ!」
「待ってくれ――」
フョードロフは言いかけた。しかしカルホノフはそれを無視し、覆い被せるようにしてたずねた。
「それともフョードロフ、君は、われわれの正義を示す機会を見逃すつもりなのか? だとするならば、許し難い反同盟的行為だ!」
「わたしは危険についての配慮をもとめただけだ」フョードロフは言った。
「あなたはその点について明確に答えていない」
「だから、やってみなければわからんと言ったはずだ!」カルホノフは再び怒鳴った。
「いや、たとえどれほどの危険が待ち受けていようとも、われわれは正義を示さねばならない! 連邦の圧制に立ち向かう自由市民の正義を! そうではないか、諸君!」
「ウラー」一人の委員が立ち上がって叫んだ。何人かがそれに続く。数分のうちに、議場はウラーの連呼に満ちた。
 カルホノフは両腕を大きくひろげてそれにこたえ、煽るように言った。
虫けらどもを捻り潰せエクラゼ・ランファーム!」
「虫けらどもを」
「捻り潰せ!」

今の状況について、あの八月末に捻り潰された虫けらとしては、「とにかく政権交代」と唱へてゐた彼らにかける言葉を持たない。ただ彼らと同時代を生きたこと、彼らの愚行に為すところがなかつたことを後の世代に対し、恥ぢる。



*1:作者はまだ存命だが恐らく続刊は出ない。

*2:「正直者は莫迦をみる」みたいなことを言はれるのは願ひ下げだが。莫迦を見た者イコール正直者ではないのは自明の理だ。