本日の調達品。

とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)

 歯を食いしばって前をむいたって、意味などない。苦しみはただ襲い来るだけで、それに立ちむかったって、一生懸命負けないように努力して克服していったって、いつか死んで無に還るだけなら、努力や成長は意味をなさない。
 人間は苦しみに打ち負かされて、地べたを這いつくばりながら、 互いに互いを傷つけ合って、地獄のような時間に耐えたのち、意味なく死んでいく虫と同じ存在だ。救ってくれる神などいない。人間とは自然の有機的反応によって偶然この地上に生まれ落ちただけの、ただの遺伝子の乗り物なのだ――それが人生というものの真実なのだとしたら。

それがどうしたといふほかない。